資産家の実家と焦る母

8月 17th, 2012

私は現在29歳になります。
実家が資産家で、それほど自分で自立する必要もなく
のんびりこれまで気楽に生きてきたため、すべてにおいて適当に考えてきました。
学校も推薦ですいすいと進級して女子大に進学して、
就職も正社員ではできなかったため派遣で医療事務をしています。

私には2人の兄がいるのですが、
人とも社会的に成功し一流企業に勤務しているものですから、
母も私の交際相手に対しては兄たちと同等、
もしくはそれ以上の職業の人を望んでいるようです。

しかし私は兄たちとは違って末っ子ということで甘やかされて育てられたため、
私自身がそういった職業の見識の高い人と相性が良いはずもなく、
いつも合コンやホワイトキー(お見合いパーティー)などで知り合っても、
結局話も合わず釣り合いが取れないと思われるようでフラれてしまいます。

医療事務で働けば病院などで
医師と出会う機会があるかもしれないと勧めたのは母でした。

しかし、病院に勤めても私が働く会計部門には
医師は全く出入りせず出会いなんて全くないことに働いてから気づきました。

私の周りの友人たちものんびりしていて結婚しないで遊びまわっているため
私も安心してしまっているのですが、業を煮やした母親が最近、
自分の母校のお嬢様学校のOG会が主催するお見合い会というものに登録してしまいました。
なんでも、そこのOGのご子息、ご令嬢で結婚相手を探すために同窓の方のご子息、
ご令嬢と親主体でお見合いをさせるというものです。
そこの学校は地元では有名な伝統校なので通っておられる人もそれなりの家柄らしく
母もそこに目を付けたようでした。しかしその入会金を聞いてびっくり!
なんと60万円も最初に払わなくてはならなかったそうです。

そうなってしまうと、もうそこで結婚相手を見つけなくてはならなくなってしまいます。
私ももっと積極的に合コンなどにいってとにかく自分で
相手を見つける努力をすればよかったのですが、
なかなかうまくいかないため母がとうとう行動に移したのです。

母にはその会に入会する前に一言私に相談してほしかったと思っています。
私も医者や弁護士は経済的に安定していて理想的な職業であると思ってはいますが、
自分自身、性格もフワフワしていて、外見も結構派手なギャル系なため、
まじめな人にはその容姿だけで敬遠されてしまってここまできました。

そのような由緒正しいお見合い会に入会する親御さん自体が
私のような娘を気に入るはずもないだろうなと思っています。

そして、もう一つ、お見合いに関して母が心配していることがあります。
私の両親が離婚をしているということです。
そんなこと最近では珍しくはないと思うのですが、実際お見合いなどの場では
そういことが問題になることが多々あるそうです。

色々ありますが、母に急かされ早速来月初めて
お医者さんと対面することになっています。

どうなることやら。

結婚式の舞台裏 意外とキビシイ招待客

8月 12th, 2012

実は私、結婚式場で週末だけのアルバイトをしていたことがあります。

学生時代は「バンケットレディ」といって披露宴でお給仕をする仕事。

もう少し年を取ってからは「ブライダル・アドバイザー」。

他人の披露宴およびそこに至るまでの過程をつぶさに見せていただきました。

バンケットレディとして働いていたころは、ちょうどバブルの最盛期。

ド派手な演出の披露宴がごくごく当たり前のように行われていました。

ピアノやバイオリンの生演奏、ロールスロイスでの新郎新婦の登場は当たり前。

新郎の知り合いだという某アーティストのミニライブあり、盛大な鏡開きあり、目の前でシェフがステーキを焼いてふるまってくれるというサプライズあり……。

今ではゴンドラがある会場を探すことすら困難だと思うのですが、本当にドライアイスの中をゴンドラで降りてきたカップルもいました。

本人たちは、「一生に一度のことだから」と可能な限り知恵をしぼり、張り切って計画しているのでしょう。

ところが、本人たちは満足でも、招待客が満足していないという雰囲気が伝わってくる披露宴も正直なきにしもあらず……。

一番多かったのは、「料理への不満」でした。

演出を派手にするあまり、料理に回す予算がなくなってしまった場合など、招待客は容赦なくブーブー文句をたれていたものです。

「いくら会場やブーケのお花が見事でも、あれは食べられないものね」

とか、

「ゴージャスな生ウエディングケーキを用意するくらいなら、デザートをもうちょっと何とかしてほしかった」

とか。

花嫁の衣装に対しても手厳しい意見が……。

「豪華な打掛のわりには、引き出物がショボい」

「花嫁が黒のドレスで花婿がピンクのタキシード。なんだか演歌歌手みたいだった」

それ以外にも、

「新郎側の友人にめぼしいのがいない……。」

と新婦側の友人たちがぼやいているのを耳にしてしまったこともあります。

招待した方がすべて手放しで喜び祝福してくれるわけではないのだなぁ……と現実を思い知った次第です。

逆に、新婦の友人たちが作成したウェルカムボードや、二人のなれそめと新居案内が書かれた手作り感満載の小冊子などは、お金がかかっていないわりには好評だった模様です。

新郎の幼なじみたちによる和太鼓演奏や、新婦のサークル仲間によるフラダンスなども、会場を盛り上げていました。

結婚式や披露宴の主役はこれから夫婦になろうという二人なのですが、おたがいの両親や出席して下さる皆さんが喜んでくれるセレモニーとなると、なかなか難しいものですよね。

結婚式の舞台裏 ブライダル・アドバイザーの仁義なき戦い1

8月 12th, 2012

ブライダル・アドバイザーは、OL時代に週末だけ副業的にしていた仕事です。

「新郎新婦とともに、最高の挙式・披露宴を」がモットーだったのですが、時給850円ではとても我慢できない事態に陥ることもしばしばでした。

式場の下見に訪れたカップルを接客することからアドバイザーの仕事が始まります。

先輩アドバイザーが資料を手に、二人の理想やら希望やらを大まかにヒアリングしていきます。そのヒアリングを元に予算と招待客数なども考慮して、ウェディングプランを練り上げていくわけです。

下見に訪れたからといって、必ずしも成約いただけるわけではありません。

何しろ、商品としては百万以上するものです。おいそれと「ここに決めます」とはいきません。

「とりあえず、日取りだけおさえてもらって……」と言いつつ、あとから電話でお断りされるカップルもいましたし、成約してもらったもののしばらく連絡が取れないわと思っていたら、破談になっていたというケースもありました。

私がおもに担当していたのは、衣裳部屋での衣装合わせ。

もちろん、衣裳部屋には専門のスタッフがいるのですが、衣装の試着は「二人がかり」でやった方が花嫁のテンションが上がるとか何とか……。

衣装を着せてあげるスタッフがあまりにも美人だったり派手だったりすると、花嫁の気分が一気に盛り下がってしまうので、衣裳専門のスタッフはいつも髪をひっつめて化粧も控えめ。

同時に、アルバイトとして私が採用された理由もなんとなくわかってしまったのでした……。

「オフショルダーのウェディングドレスに白い手袋とティアラで『ローマの休日』のオードリー・ヘップバーン風」

「真紅のカクテルドレスに大きめのイヤリングで『風と共に去りぬ』のビビアン・リー風」

映画が好きな私は、こんなふうに花嫁の雰囲気に合わせて衣裳のセレクトをするのがとても楽しかったのですが、中には「明らかに似合わない」ドレスを着たがる方もいて、困ったものでした。

小麦色の肌なのにわざわざ黒いドレスを選んだり、背中に吹き出物が満載なのに首元が大きくあいたドレスを選んだり……。

推定体重75キロの花嫁がタイトなシルエットのウェディングドレスをいたく気に入ってしまい、試着するときにチャックが閉まらなかったときの衝撃は忘れられません。

「これ、お直しできないの?」

と詰め寄られた私。

オーダーしたほうがよろしいかと存じます、などとしどろもどろになりながら、手に脂汗が……。

結婚式は婚活の総仕上げ!?

8月 11th, 2012

「別にやらなくてもいいんだけど……」

なんて言いつつも、やはり

「やっておこう」

という結論に達してしまうのが「結婚式」。

経済状況の低下から日本では結婚式を挙げるカップルが年々減り続け、現在では挙式率が40%台に落ち込んだという報告もあります。

それでも、「けじめとして」、はたまた「婚活の最後の仕上げとして」、結婚式を挙げるカップルが半分近くいるわけです。

私たち夫婦も、ごく当たり前に結婚式を挙げました。

本人たちよりも、おたがいの両親の意向によるところが大きかったと思います。父や母が若かったころは、「式を挙げない結婚なんてありえない」という時代でしたから。

しかし、式に関わる大勢の人間の言い分を不公平のないように訊いていくと、ごくごくありきたりの平凡な式になってしまうという結果に。

婚約から挙式まであまり日程に余裕がなかったこともあります。

そして、花嫁である私があまり式に対して夢だの希望だのがなかったせいでもあります……。

「花嫁衣裳は白無垢で、そのあとカラードレスで、最後に白のウェディングドレス」

と決めたのは、私の母。

「せっかくだから、式と披露宴の様子をビデオに撮りましょう」

と提案したのは、夫の母。

「余興として、二人の小さいころからの写真をスライド上映しよう」

と言い出したのは、夫の父。

正直なところ、ビデオだのスライドだの面倒なことはやめてくれ、と思ったのですが……抵抗せずにやりました、ハイ。

披露宴でのお色直しに着るドレスを選ぶときなどは、必ず母が付いてきました。

そして、

「これは露出が多すぎる」

だの、

「これは太って見える」

だの、あれやこれやとダメ出しをするのです。

唯一、私の父だけが何も口出ししないかと思いきや、結婚式の数日前にするという「お顔剃り」を、

「ワシがいつも行っている散髪屋でしてもらえ」

父の行きつけの理髪店を指定され、そこですることになってしまいました。

「主役は花嫁なんだから、もっと自分の意見を言うべきだ」

と夫には言われましたが、私自身は「これでいいや」と開き直っていました。

結婚式は、これまで育ててもらった両親たちへのお礼だと思っていたからです。

披露宴中のBGMも、いちいち考えるのが面倒だったので、会場担当者の方にお任せしてしまいました。

ごくごく普通の、豪華でも何でもない挙式でしたが、招待客の皆様には

「本当に、いいお式だった」

と褒めていただきました。

そして、結婚式と披露宴が終わって初めて、「これで『婚活』はひとまず終わったぁ……」と安堵した私だったのでした。

結婚式の舞台裏 ブライダル・アドバイザーの仁義なき戦い2

8月 11th, 2012

衣裳はともかく、披露宴で出される料理がショボいと、招待客の評価が一気に下がります。

料理のランクは大きく分けて、松竹梅と3ランクあったのですが、「梅」を選ぶカップルのほとんどは招待客20名以下の挙式。

「どうせ身内だけなんだから、料理なんてどうでもいいよね」的なノリ。

いちばん多く出ていたのは「竹」でした。

まぁたとえ「松」を選んでも、披露宴の料理の多くは残飯になってしまうのですが……。

マータイさんが見たら激怒しそう。本当にもったいないことです。

引き出物を決めるのはだいたい最後の方になります。

この引き出物に、カタログギフトを選ぶカップルも多くいました。

ところが、このカタログギフトというものを当人の親たちはあまり好みません。

「引き出物はかさばるものの方が見栄えがする」と言うのです。

そんなわけで、このままバザーに出されてしまいそうな刺繍入りのタオル、袋からはみ出てしまう漆塗りのお盆、年に何回使うんだと首をかしげたくなる花模様のティーセットなども普通に選択されていました。

さすがに二人の名前入りペアグラスや置時計などは、もらう側には不評であると認識されていて、ほとんど出ませんでしたが……。

私自身の経験から言うと、重たくかさばる引き出物の袋を提げて二次会の会場に向かうとか電車を乗り継いで帰るとか、そういったことはなるべく避けたい事態です。

帰ってからゆっくり自分で好きな物を選べる、カタログギフト一冊の方がありがたいに決まっています。

ちなみに、もらってうれしかったものは、

・部屋に飾っておけるプリザーブドフラワー

・有名洋菓子店のお菓子

・好きなブランドのキッチンツール

でした。

何にしようか迷っているカップルには、先輩アドバイザーが

「親戚の方用、新郎の友人用、新婦の友人用、と中身を分けることもできますよ」

などとアドバイスしていました。万人受けする引き出物なんてないですからね。

披露宴の打ち合わせ中に新郎新婦の間でバトルが始まってしまい、慌てて仲裁に入ったことも。

「だいたいオマエの親は口出ししすぎるんだよ!」

新郎が言えば、

「アンタが甲斐性ナシなのがいけないんでしょ!」

ブチ切れる新婦。

このカップル、挙式当日もケンカしていましたので、こういったやり取りは日常茶飯事だったのでしょう。

ちなみに、ブライダルアドバイザーのアルバイトは8ヶ月ほどで辞めました。

平日の本業の仕事との両立が困難になってきたからです。

あまりにも「濃い」仕事内容でしたが、自分の挙式や披露宴の際には大いに参考になった……かな?

三高なのにダメな男 「学歴自慢」「常識を超える金銭感覚」

8月 10th, 2012

次に会ったのは、ブランド物のスーツに身を固めた銀行員の男性。

何でも、お坊ちゃまが集うことで有名な一流私立大学を卒業しているそうですが……。

「何だか学歴しか自慢できることがないみたい。口を開けば、KO大学、KO大学って自分の母校の話しかしないの。就職も父親のコネで入ったみたいだし、ローン組んでまで芸能人が着るような高いスーツ買うなんて、自分に対する自信のなさの表れだよ、あれは。

そんなに母校が好きなら、なんで同じ大学出てる女の子と結婚しないんですかー?って思わず訊いちゃったよ」

それなりの収入があるのに、服といえばユニクロでしか買わないノンちゃんのような女性は、こういう男性はいちばん嫌いなタイプのようです……。

バツイチのIT企業社長ともお見合いをしたそうです。

IT企業と一口に言っても、上場している会社だけでも4000近くあります。下の方にはもちろんブラック会社もあるでしょうし……。

「いや、たぶんブラックに近い方だと思うけど」

一刀両断のノンちゃん。……何でそう思ったの?

「金銭感覚が破綻してるもん。会社の近くにマンション借りて住んでるらしいけど、家賃がン十万とか言ってたよ。普通、それだけ家賃払ってたら買うでしょ、マンション。食事するにしても『いちげんさんお断り』みたいなすごい格式の料亭に連れて行かれるの。財布の中にカード類がパンパンに入ってたけど、借金も半端ないと思う。前の奥さんともお金でモメて別れたんじゃないかなぁ」

お金があることをわざわざ誇示したくなる男性ほど、実はお金がないんじゃないか……と分析するノンちゃん。

ちなみにその男性、心なしかホリエモンに似ていたような気がするそうですが……。

こうして、アラフォーになった今でも婚活を続けているノンちゃんですが、結婚に適齢期はなくても、出産には適齢期があります。

しかし、今となってはもう「子どもが欲しくて」婚活を始めた、ということすら忘れかけている様子。

「もう『三高』じゃなくて、『四高』になっちゃったよ、私」

なかば自虐気味にそんなことを言うノンちゃん。

ちなみに、最後の「高」は「高齢」……。

三高ならぬ四高女性にも、早く人生のパートナーが見つかればいいんですけど……ね。

三高なのにダメな男 「とにかく暗い」

8月 10th, 2012

高校時代に仲の良かったノンちゃんは、いわゆる「三高」の女性。

モデル並みの体型で、ハイヒールなど履こうものなら身長は軽く170センチを超えてしまいます。

日本でも三本の指に入るという国立大学の大学院を卒業し、現在は母校で大学講師をしています。

一生一人でいても困らないくらいの知力と財力のある彼女ですが、

「どうしても子どもが欲しい」

という思いを捨てきれず、30歳を過ぎて遅まきながら婚活を始めることになりました。

こういう「三高」女性に釣り合う人というのは、客観的に見てなかなか難しいものです。

本人の意思とは無関係に、必然的に同じような「三高」男性が紹介相手として選ばれる傾向にあります。

ノンちゃんは、これまで十指に余るほどのお見合いをしました。

そのどれもが、「三高」の条件を満たす「申し分のない」男性ばかりでした。

しかし、彼女に言わせると……。

「身長が高くて高学歴で高収入なのに結婚できない男性には、やっぱりそれなりの理由がある」

のだとか。

頭が切れる彼女だけに、口から出てきたのはなかなか手厳しい意見の数々。

結婚相談所の紹介で初めにお見合いした相手は、外科のお医者さんでした。

年は彼女と一つ違い。写真で見る限り、イケメンではないものの、別に不細工というわけでもなく……。

「なんでこんな条件のいい人が残っているんだろう?」

と不思議に思ったそうです。

ところが、実際に会ってみて、「なんで?」の理由がわかりました。

その男性は、とにかく「陰気」で「暗く」て「どんなときも無表情」だったのだそうです。

「最初は『きっと私のことが気に入らないんだろうなぁ』って思ってたんだよ」

一発目のお見合いでさっそく撃沈したノンちゃん。

「何を訊いても短い受け答えしか返ってこないし。趣味は?って訊いたら、ランニングだって言うんだけど、ただ家の周りを週に一回一人で走るだけだって。着てる服も黒ずくめだし、なんかえらく高そうな車に乗ってたけど、その車まで真っ黒だし。極めつけに、会ってから別れるまで一度も笑わなかったんだよー。こっちまで気分が暗くなっちゃった」

あちらから断って来る前にこちらから断ってやる、と息巻いていたら、相談所の担当者から電話がかかってきて、

「先方はもう一度お会いしてみたい、とおっしゃってますが、いかがでしょう?」

……もちろん、お断りしたそうです。

セレブ婚のその後 温泉でまさかの再会

8月 9th, 2012

その後、Kちゃんとはメールや年賀状のやり取りをしていましたが、私が会社を辞めたころから連絡が途絶えてしまい、彼女とはすっかり音信不通になりました。

あの芸能人ばりの披露宴から二年後、東京の実家に帰省してきたKちゃんと久しぶりに食事をしたという別の同期が語ったところによりますと、

「朝の八時から夜の八時くらいまで会社(=夫の実家)にいる」

「家事は会社の従業員(=お手伝いさん)がやってくれる」

「結婚してからハネムーン以外に五回、社員研修で海外旅行に行った」……

……あぁ、Kちゃんはもうすっかり「雲の上のセレブ」になってしまったのね……。

そして、Kちゃんの噂すら聞かなくなってしまった今日このごろ。

私は彼女と思いがけないところで再会したのです。

GW中の「大江戸温泉物語 浦安万華郷」で……。

「ここじゃなくて、ディズニーランドに行きたーい!」

と騒ぐ子どもたちを何とかなだめ、丸め込んで、自分が前から行きたかったこの大型公衆浴場に連れて来た私。

風呂から上がり、自分は全裸のまま、脱衣場で息子を拭いてやっていると……。

洗面台のところで髪を乾かしている同年代の女性に目がとまりました。

「え?え?え?」

すぐにはKちゃんの名前が出てきませんでした。

何しろ、最後に会ってから、もう20年近い月日が流れているのです。

もちろん、最初は「まさか」と思いました。

だってKちゃんは名古屋に嫁いだはず。人が休日のときに忙しいという家業を手伝っているのですから、五月の連休に東京近辺にいるわけがありません。

しかし、洗面台の前で化粧を終え、立ち上がった女性はまぎれもなくKちゃん。

もちろん、昔と比べて年相応に老けてはいるのですが、それはおたがいさまというもの……。

いくら私でも全裸で声を掛けるわけにはいかないので、あわてて着替え、子どもたちを脱衣場に置いて彼女のあとを追いかけました。

彼女はロビーで連れらしき男性と語らっているところ。

しかし、その「連れらしき男性」は、あの300人披露宴で見た新郎とは明らかに別の人でした。

あの彼とは別れたんだ……と瞬時に思いました。

二十年近い月日の間に、いったい彼女に何があったのでしょう。

昔ほどではありませんが、日本では、結婚というとまだまだ「家同士の結びつき」を重視します。

やはり「セレブ」な家庭に嫁ぐということは想像以上に大変だったのでしょうか?

いくら覚悟の上で結婚を決意しても、愛だの情だのでは乗り越えられない「何か」があったのでしょうか?

「Kちゃんは名古屋が嫌になったら東京に戻ってくると思うよ」

披露宴のあと、帰り道の新幹線で紅白まんじゅうを食べながら同僚の一人が言った言葉がよもや現実になるとは。

声を掛ける気も失せて、私は脱衣場に戻りました。

脱衣場では、パンツ一丁でサルのように走り回る息子を娘が追いかけているところでした……。

人もうらやむセレブ婚 披露宴は芸能人並み!?

8月 9th, 2012

私が過去に参列した結婚式の中で最大規模だったものは、会社の同期だったKちゃんの結婚式。

大学時代から交際していたサークルの先輩とゴールインしたのですが、夫となったその先輩の実家は名古屋方面で手広く商売をされていたようです。

式場はカトリックの教会でした。式のあいだはさほど気にならなかったものの、披露宴会場である名古屋市内のホテル宴会場に入ってみてビックリ。

こ、これは、芸能人の披露宴か!?

軽~く300人以上が招待されていたかと思います。

その中でも「単なる新婦の同僚」だった私たち。出入り口に近い後方のテーブルに座っていましたが、ひな壇に上がった新郎新婦が遠いこと遠いこと……。

会場を見渡してみると、Kちゃん側の招待客は、親戚縁者をかき集めてせいぜい30人足らずだったでしょうか。

あとは全部、新郎側の招待客。

それも、新郎のお父さんの仕事の関係で招かれた方がほとんどだったようです。

新郎新婦のことをよく知らないおじさん方が順繰りにスピーチをするのですが、これが長い……本当に長い!

いつもの披露宴であれば、料理に箸をつけることもちょっとはばかられるような雰囲気になったりするものですが、

「えーい、食べちゃえ食べちゃえ」

とばかりにひたすら豪華料理を消化していた私たち。

新婦の同期といえども部署も違い、普段からあまり行き来がなかった私のような者が、当たり前に招待されてしまった理由がわかりました。

少しでも新婦側の招待客を増やそう、ということだったのですね。

「Kちゃん、大丈夫かねぇ」

帰りの新幹線で引き出物の紅白まんじゅうを広げながら、会場では出来なかった話に花を咲かせる私たち。

「これから夫婦で家業を手伝うって言ってたね」

「なんか、義理のお父さんもお母さんも強烈そうだったけど」

「ま、大学時代からそれを承知で付き合ってたんだから、大丈夫なんじゃないの」

他人のこととなれば、けっこう好き放題言えるものです。

支店に配属されて、営業補佐としてお客さんのクレームを日々モロに受けるような仕事をしていた私と違い、いかにも大和撫子なKちゃんは本社の総務部。

しかも、東京生まれの東京育ちで実家から出たことがなく、名古屋には夫以外に頼れる人は一人もいません。

一代で財を成したという新郎の実家に、果たして馴染めるのでしょうか……?

結局失敗に

8月 8th, 2012

私は絶句こそしたものの、後輩に弱い自分を見せたくないとも思い、気丈に対応しました。

これで何も語らず自然な形で私の方からフェードアウトすることもできました。むしろ私はそうした方がいいと思っていました。若い小娘じゃあるまいし、もうすぐ三十路の女がこれくらいのことで大騒ぎをしたらかえって痛々しいと思ったからです。しかし、私の後輩はそれには反対しました。「これはしっかり制裁しないといけない。彼を私たちの前に呼び出して問い詰めましょう。」と言うのです。

私は、自分主導でそんなことはできませんが悔しい気持ちはもちろんあったので、後輩の案に乗ることにしました。

彼の方も自分の後輩から自分が既婚者だとばれてしまった事は知らされているそうです。私の後輩と相手側の幹事を含めた四人で一席設けることになりました。

一週間ぶりに顔を合わせた彼は明らかに先日会った表情はうってかわって落ち込んでいる様子でした。ただ、彼は私がとても怒り心頭であると思い込んでいたようでかなりの報復を覚悟していたようなのですが、意外にも私が冷静を保っていたので逆にそれが恐ろしく思えたのか終始うつむいたままでした。

そして彼の口から反省の言葉を聞くことができました。「はじめは、遊び相手を見つけるつもりで、結婚していることを隠して参加したけれど、出会った君にどんどん惹かれていってしまい、いわなきゃいけないと何度も思いながらも言えずにいたところだった。」とのことでした。私は彼の姿をみながら、今まで気丈に頑張っていた心張り裂けそうな気持になってしまいました。知らず知らずのうちに私も彼のことを本気で好きになってしまっていたのでした。

しかし、私の方からは特に彼に何も言う事はありませんでした。自分自身には落ち度がなかったと思っていますが、付け入る隙を与えてしまった自分にも多少の責任はあるのではないかと自分自身で思えたのです。

そして、30歳最初の恋の出会いは終焉を迎えてしまいました。今回の出来事をとおして、結婚相手を見つけるのは一筋縄ではいかないなと実感しました。たまたま運が悪かったのだろうと思っていますが、失敗するのはこれが最後にしたい、最初で最後の失敗で、次こそは運命の人と巡り会える出会いをしたいものだと思っています。